DOOHの効果検証はアジア太平洋地域で次のビッグトレンドとなるか?

Marketing Interactive 寄稿記事より転載

2020年07月06日 By Laura Quigley
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デジタル屋外広告(Digital Out Of Home、DOOH)とは、バスターミナルやショッピングセンター、幹線道路沿いの看板など、家庭以外の場所に設置された看板に広告や動画を表示させる、いわゆるデジタルサイネージを指す言葉です。外出中の消費者を適切にターゲティングするために、広告はリアルタイムに、動的なデジタルテクノロジーによって配信がコントロールされています。大型の屋外看板、タクシーの上のサイン、空港のゲートやジム、そして待合スペースに設置されているものなど、DOOH には様々な画面計上、サイズ、インタラクティブ性のものが混在しています。

これまでの屋外広告(OOH)は、主に静的な看板であり、市場での供給量には物理的な制限がありました。掲載するクリエイティブにも制限があり、アナログ的な存在でした。DOOH はこうした従来の屋外広告の課題を克服できます。例えば、一つの看板に複数の広告をローテーションで表示させることもできます。1分間に6つの広告を表示しながら、通りすがりの人に対して十分な露出を確保し興味関心を高めることも可能ですし、一つのサイネージを複数の広告主に提供することもできます。設置場所、スクリーンのサイズやフォーマット、インタラクティブ性など、DOOH の特徴の組み合わせは無限大で、組み合わせ数だけ DOOH のポテンシャルがあるとも言えます。そこには多くのキャンペーンにとって無視できない重要なパーツとなる可能性があります。

DOOH の勢いが増す要素はいくつかありますが、コロナ禍で家に閉じこもっていた人々が再び街に戻りつつあることも、DOOHへの投資を後押しする要素となるでしょう。通勤、レストラン、ショッピングモール、スポーツジムなど、人々が多く集まる場所はターゲットにリーチできる格好の機会です。高まるプライバシー保護の機運で「人」のターゲティングが難しくなることが予想されるため、デジタル広告は再び「人から枠へ」と回帰するような動きも見られます。DOOHは公共空間でもプライベート空間でも、「場」のコンテキストやそこに集まる人の関連性、そして多様なクリエイティブが展開できるため、適切な「枠」を常に探しているマーケティング担当者にとっては非常に魅力的な媒体なのです。

デジタルサイネージ活用の可能性はどんどん広がっています。フルモーション動画、ダイナミックでリアルタイムなコンテンツ、ソーシャルメディアとのエンゲージメント、モバイルでの位置情報に基づくターゲティング、マルチスクリーンを使用した広告配信、タッチスクリーンを活用したインタラクティブなコンテンツ、そして拡張現実など・・・。フォーマットやクリエティブ形態の進化に加えて、広告配信や露出機会を最適化するイノベーションも模索されています。これまでのデジタル媒体ではリーチできなかった消費者に、場所や時間帯、天気、混雑状況など様々な場のコンテキストに応じて広告を届けることができる能力はこれまでのデジタルプラットフォームにはない画期的な意味を持っており、これを適切に運用し、最適化する方法が早い段階から模索されているのです。

アドベリフィケーションにより、広告主は質の高いDOOH在庫の購入が可能に

動的でコンテキストに沿った配信が得意な DOOH ですが、この特徴は同時に誤った広告配信の可能性を高めることにもつながります。これを防ぎ、品質の高い環境を保証するためには、第三者による検証が不可欠です。

広告主は、複数の場所に点在する DOOH でコンテキストに沿ったクリエイティブを配信しようとします。意図した場所で、意図したコンテキストで広告が配信されたかを検証するためには、第三者による計測が不可欠です。例えば、ある日焼け止めブランドが次のような広告配信を設定したとします。「ブリスベンかシンガポールで気温が32度に達したらSPF 30の日焼け止めの広告を10秒間流す」そして「アメリカ西海岸かジャカルタで気温が35度に達したらウォータープルーフのSPF 50 の日焼け止めの広告を15秒間流す」。この広告主は、どうやって広告が設定した条件下で配信されたかを知ればよいのでしょうか?

ウェブサイトやアプリ内で配信されるデジタル広告同様、DOOHでも配信条件を検証し、実際の配信状況を測定することに特化した第三者の存在が重要となります。計測することで、広告主は供給過剰による安価な在庫を避け、質の高い在庫を購入することが可能となります。このことは市場全体での価格の安定性にもつながります。

さらに、デジタル広告で一般的になりつつある閲覧時間の概念を DOOH にも当てはめる動きもあります。広告が見られていた時間の長さはエンゲージメントと高い相関があることが分かっており、DOOHにおいても閲覧時間を測定する試みが既にはじまっています。

第三者による DOOH の検証では、次のようなことができます:

  • 購入した条件通りに広告が配信されているか?
  • コンテキスト広告が意図した場所で配信されているか?
  • 広告が何回表示されたか?
  • 正しいタイミングで配信されたか?
  • 十分な露出時間が確保できていたか?

無限の可能性を秘めた DOOH は、増大するデジタルマーケティング費用を吸い寄せています。そして、かけるコストが増えるにつれ、広告主、代理店、チャンネルパートナーが検証パートナーと協力して広告の測定と検証を行うケースが増えています。発展の初期段階から関係するプレイヤーたちが協力して検証を実施することで、従来のデジタル広告が陥っている透明性の課題に陥ることなく市場が成長できる可能性があるのです。

DOOH が大規模なプログラマティック広告配信に組み込まれていくことは間違いありません。マーケティングにとって、DOOH はニッチな存在とは言えなくなり、プログラマティックの導入は必須となるでしょう。

 


※この記事はMarketing Interactive に寄稿した記事を、東南アジア版Insiderに転載した「EDOOH & its verification capabilities the next big thing for advertisers in APAC?」をもとに、IAS Insider Japan 編集チームが翻訳、編集しました。