ブランドに適合した環境づくり:IASとYouTubeの取り組み

2020年03月23日 By IAS Japan Team

先月、YouTube 動画におけるブランドセーフティと適合性の課題に対し、新たな一石を投じるニュースが報道されました。「気候変動に関して事実とは異なる情報を含んだ YouTube 動画で、108社のブランド広告が表示された」というものです。この調査を実施し、注意を呼び掛けたのは、環境問題に取り組む非営利団体の Avaaz。該当するブランドには、さまざまな業界の有名ブランドのほか、グリーンピースや世界自然保護基金といった環境・自然保護団体も含まれていたことも指摘されました。動画の再生回数は計2,110万回に上り、「気候変動」や「地球温暖化」のほか、「気候操作」(有名な陰謀論の1つ)といったキーワードの検索結果として表示されていた可能性があります。

YouTube への広告配信をめぐるこれまでの問題への対応とは異なり、広告主は今回、より慎重なアプローチで問題の対処に乗り出しています。YouTube と直接協力し、より適切な環境のターゲティングを強化し、自社に害を及ぼす可能性のある状況を回避するための方策を講じているのです。

誤解を招くコンテンツや事実とは異なる情報を含んだコンテンツの横に意図せず広告が表示された場合、テロ関連のコンテンツの横に表示される場合と比べて、その悪影響は明らかに小さいものです。しかし今回の問題は、ブランドセーフティからブランド適合性へのシフトをめぐる、業界内での議論の高まりを示しています。YouTube のプラットフォーム上では、ブランド広告主がターゲットするトピックのオン/オフを切り替えることが可能です。「気候変動」というトピックをオフにしてキャンペーンのリーチを減らすかどうかの決定権は広告主にあるのです。

しかし、もし他に選択肢があるとしたら?Avaaz のような団体は YouTube に対して、投稿される動画コンテンツを監視し、事実とは異なる内容を含む動画が広告協賛を受けられないようにする、あるいはそうした動画が検索候補として挙がらないようにするためのさらなる措置を講じるよう圧力をかけてきました。ソーシャルネットワークのプラットフォーマーがコンテンツの監視と取締りに果たすべき役割に関する継続的な議論が行われていますが、実はブランド広告主はこの件に関して自分たちが思っている以上の影響力を持っているのです。

たとえば IAS の YouTube 対応広告検証ソリューションを利用すれば、広告主は不適切なコンテンツから積極的にブランドを守ることが可能です。

 

計測結果に基づく広告マネジメント

IAS のアドベリフィケーション・ソリューションは、機械学習モデルを用いて動画のリスクレベルを三段階(低、中、高)で評価しています。計測データは IAS が毎日更新しますので、広告主は広告を掲載する YouTube 動画のリストを更新し、自社のブランド適合性ニーズを満たしていない動画を除外することができます。当社の機械学習モデルは、精度を最大限まで引き上げるため、最終的な検査と改善は人間の目で行っています。

ソリューション活用のヒント:IAS は「低、中、高」の3段階でリスクレベルの微妙な違いを表しています。これにより広告主は、ブランドごとに適切なリスクレベルを設定し、設定に基づいて掲載可否を判断することができます。例えば、Avaaz の調査で問題が指摘された動画はいずれも、IAS のリスク基準であれば「中」に分類されていたものです。広告主が適切な措置を講じることができるよう、注意を促す仕組みになっています。

YouTube Prescreened Channel List

IASでは、YouTube Prescreened Channel List というソリューションを、現在(2020年3月24日)ベータ版として提供しています。このソリューションは YouTube にアップロードされる動画のブランドリスクを査定し、ブランドリスク「低」と判定されたもののみをリスト化したものです。IAS が提供するこのリストをホワイトリストとして活用することで、リスクのあるコンテンツを含むチャンネルを除外することができます。このリストは、IAS のクライアントが各チャンネルの動画に配信するすべてのインプレッションの査定結果をもとに常にアップデートされています。

ブランドセーフティと適合性を達成しようとするならば、一度で完璧な保証を求めるのではなく、継続的な更新が必要だということを肝に銘じるべきです。フェイクニュースや気候変動といった、見る人によって異なる視点ををもたらすトピックによりグレーゾーンは拡大しています。言論の自由を担保しながら透明性を向上させる方法を、デジタル広告業界は模索し続けています。

良い側面もあります。テクノロジーの進展により、ブランドは今まで以上に評判とメディア支出をコントロールできるようになってきています。IAS は、業界で初めて無効トラフィック、ビューアビリティ、そしてタイムインビューといった指標を YouTube で計測可能にしたアドベリフィケーションベンダーとして、YouTube のようなソーシャルプラットフォームと密接に連携し、広告主がブランド価値を損ねることなく消費者に届けることは非常に重要だと考えています。

 

 


※この記事は英語版Insiderに掲載の「IAS and YouTube: Creating a brand suitable climate」をもとに、IAS Insider Japan編集チームが翻訳、編集しました。