「情緒」を制する者がコンテキストを制する

コンテンツターゲティングの精度を飛躍的に向上させる「センチメント(情緒)分析」とは?

2020年09月25日 By IAS Japan Team

2020年はニュース性の高い(敢えて言うなら前代未聞の)年でした。世界的なパンデミック、不景気、広がる大規模な抗議活動に、アメリカ大統領選挙、日本ではオリンピックの延期なども重なり、正確な情報を、正しいコンテキストで入手することの重要性が否応なく増しました。

経済活動の形が目に見えて変化し、オンラインコンテンツの制作が大ブームとなる中、広告主は古くて新しい疑問-広告予算をどこに使うべきか?-に再び向き合っています。米国の消費者の63%は、デジタル広告がどのようなコンテンツに表示されるかを管理するのは広告主の責任だと考えています。(日本ではこの割合は66%でした。)広告を意図したコンテンツ上で表示させることは、これまでになく重要です。

広告がどのようなデジタルコンテンツに表示されるのか、ブランドセーフティと適合性はそのコンテキストを制御するための重要な要素です。IASの 『Context Control』は、多層的なアプローチを通じて、広告とコンテンツとの関連性を正確にコントロールすることに重点を置いています。Context Control は、スタンダードなブランドリスク対策から、ブランドに特化した配信制御まで、リーチを犠牲にすることなく広告の掲載環境を管理する様々なツールで構成されているブランドセーフティと適合性の総合ソリューションです。

ブランド適合性ソリューションは、広告が安全でないコンテンツ上に表示されることを防ぐだけでなく、ブランドにとって適切な掲載面で表示されるよう、よりきめ細やかな制御が可能です。ブランドセーフティはリスク排除のための基本的な対策ですが、ブランド適合性はおのおののブランドのニーズに合わせてコンテキストを制御し、最適化します。

キーワード対策だけじゃない!ブランドセーフティ対策

ここ数年のブランドセーフティ対策の技術進歩により、ブランド価値を毀損するリスクのあるコンテンツを避けるための選択肢は確実に増えています。ブランドセーフティの取り組みの初期段階から活用されてきたのが、ドメインもしくはキーワードの除外リストです。除外リストは非常に強力なツールでした。不適切なコンテンツをごっそりと除外し、ブランドを保護することができたからです。

しかし除外リストは諸刃の剣です。

「Shoot(シュート、撃つ)」「Shot(ショット、発射)」「Shooting(狙撃)」は、ブロック対象のキーワードリストのトップ常連キーワードです。しかし、これらのキーワードは時に貴重な広告インプレッションをみすみす逃す結果にもつながっていました。例えば美容ブランドにとってセレブリティの「photo “shoot”(写真撮影)」は好ましいコンテンツですし、スポーツブランドにとっては「winning “shot”(勝利ゴール)」を扱ったニュースは願ってもない広告掲載環境です。キーワードだけでコンテンツを判断してしまうことは、ブランドに適した環境を見つけるには不十分なのです。

コンテキストを理解することの重要性

すべての広告主は、リスクがある安全ではないコンテンツを遠ざけるためにブランドセーフティ対策ツールを必要としてます。それだけでなく、一歩進んで、広告が表示される場所をコントロールできるとしたら?先ほどの例では、キーワードを特定するだけでなく、キーワードが出現する文脈が重要であることが分かりました。「shoot」や「shot」といった単語の意味や意図を正しく理解することができれば、広告インプレッションを無駄にブロックしてリーチを狭めてしまうことなく、適切な環境で広告を表示させることができるようになるのです。

実際、IASが分析したデータでは「shot」「shoot」「shooting」というキーワードが含まれたコンテンツの76%は、実際には安全で適切なものであることが分かりました。単純なキーワードブロックだけでは、何百万ページものオンラインコンテンツが必要もないのにブロックされてしまう可能性があるのです。コンテキストターゲティングは、従来の手法ではブロックされていたターゲットにも、文脈を適切にコントロールしてリーチする手段なのです。

大切なのはセーフティ対策+コンテキストの制御

Context Control の重要な要素であるIASの特許取得済みセマンティック技術は、自然言語処理(NLP)を利用しています。この技術は、文脈やセンチメント(情緒)のニュアンスを動的に理解して、正確なコンテンツ分類を大規模に実現します。言い換えれば、この技術は言語を分析し、単語が使用されている文脈を理解し、全体的なセンチメント(ポジティブ、ニュートラル、ネガティブ)を、関連する感情の分類とともに評価します(例えば、「娯楽」、「愛」、「希望」は、ポジティブな感情の中に分類される異なるタイプの感情です)。私たちの調査では、ポジティブあるいはニュートラルなセンチメントを持つコンテンツは、より大きなエンゲージメントを生み出す傾向があることがわかりました。

ポジティブなセンチメントがおよぼす影響は顕著ですが、あらゆるセンチメントや感情の分類を適切に活用することで、さらに効果を高めることができます。センチメント分析は、ブランドにとって、さまざまな文脈でメッセージをどのように提示するかをコントロールするユニークなチャンスにつながります。単にネガティブなセンチメントを持つコンテンツを避けるのではなく、ブランドは様々なセンチメントを持つコンテンツに広告を出す方法を選択することができます。例えば、同じブランドメッセージを届ける場合でも、ポジティブなセンチメントのコンテンツに配信する場合と、ネガティブなそれの場合とでは表現やメッセージそのものが変わってきます。これを可能にするのが、Context Control なのです。

ここで気を付けていただきたいのが、IASのセンチメント分析はブランドセーフティ機能ではなく、セーフティ対策と並行して機能する適合性とコンテキストに基づくターゲティングツールである、という点です。ブランドセーフティ機能は、ブランドの価値観や目的に沿わないサイトやコンテンツに広告が表示されることを防ぎます。対してContext Controlのセンチメント分析によるコンテキスト・ターゲティングは、セーフティ対策を講じたうえで、さらにキャンペーンの目的に最もマッチするコンテンツを特定するために利用されます。

また、センチメント分析は特定のパブリッシャー、著者、またはトピックの価値を判断するものではなく、特定のウェブページ上のコンテンツのセンチメントを分析し、関連づけられた感情を分類することを目的としています。Context Control のターゲティングは、一般的に避けたいフェイクニュースや、特定のブランドにとってブランドリスクとなるアダルトサイトのような不適切なカテゴリを回避するために使用される既存のブランドセーフティ技術をさらに発展させたものです。コンテンツを詳細に分類することで、目的に応じた最適なコンテキストを特定することができます。

 

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※この記事は英語版Insiderに掲載の「Feeling good about sentiment analysis」をもとに、IAS Insider Japan編集チームが翻訳、編集しました。