ブランドセーフティ一問一答

最も大切な資産を守るために必要なこと

2019年08月06日 By Rossmary Gil

ニュースが世界を駆け巡るスピードは驚異的に速く、フェイクニュースの横行も止まりません。アダルトコンテンツはインターネットの黎明期から現在に至るまで不動の人気コンテンツです。デジタル広告にブランドセーフティという概念が持ち込まれてからも、リスクに対する課題に根本的な解決策を見いだせていません。キャンペーンの成功にとってスケールが欠かせないというデジタルマーケターにとって、自社のコンテンツがリスキーなコンテンツに表示されてしまうのではないかという不安はこれまでになく高まっています。

2018年夏にアメリカで開催されたIASのブランドセーフティに関するオンラインセミナーから、ブランドを守るために必要なエッセンスがつまったQ&Aセッションの内容をお届けします。

 

1)YouTubeのブランドセーフティが正式リリースされました。この取り組みについて、またベータプログラムに参加していた企業からの感想について教えてください。

2018年12月に正式リリースされたYouTubeのブランドセーフティのベータには、通信事業者(Verizon)やコンシューマーヘルスケア(Bayer)など、様々な業種から90を超えるブランドにご参加いただきました。ベータでは、攻撃的な言葉やバイオレンスを含む5つのブランドセーフティのカテゴリリスクに対し、キャンペーンを計測。モニタリング計測結果に基づき、参加ブランドはそれぞれのニーズに合わせてBrand Suitability設定のカスタマイズを実施できました。

ベータに参加いただいた企業からのフィードバックは非常にポジティブで、正式ローンチ後には多くの企業が対象地域の拡大や、グローバルでの導入を検討しています。中でも、動画レベルのインサイトが特に有用だったとのコメントが多く寄せられています。

2)IASはどのようにブランドセーフティを計測しているのですか?

動画の様々な構成要素、例えばコピーや、動画内のリンクと被リンク、ファイル、メタデータなどを分析しています。IASは常にリスクカテゴリとリスク閾値に基づくWebページのスコリングと再スコアリングを行なっているため、環境が変化してもブランド価値を守ることができます。

ブラックリストのような従来的なアプローチは、限定的で非効率的です。また、この手法ではブランドリスクが認められる特定のページではなく、ドメイン全体が除外されてしまうため、露出に必要なボリュームが確保できないという側面もあります。

 

3)暴力的な事件に関連するようなキーワードは、どの程度の期間ブロックしておくべきなのでしょう?たとえば昨年(2017年)シャーロットビルで起きたユナイト・ザ・ライト・ラリーの事件に関連して、「バージニア」というキーワードは今もブロック指定すべきなのでしょうか?

何を、どの程度の期間ブロックすべきかという判断は、各ブランドが主体的に行うべきだと考えます。ブロック対象となるキーワードのリストは毎月見直すべきだと言う広告代理店もいます。

ブランドセーフティは、一度設定したらあとは放ったらかしにしてよい、と言う類の問題ではありません。ブランド価値を守るためには、用心深さと厳しい監視の目を常に光らせておく必要があります。キーワードリストも例外ではありません。

 

4)キーワードの誤検知をどう制御していますか?例えば大統領「トランプ」をブロックしながら、一般名詞である「トランプ」はブロックしないと言ったコントロールはどのように行われているのでしょうか?

まずはIASのブランドセーフティモデルを採用した上で、キーワード単位でのブロッキングの設定をすることをお勧めします。ブロッキング対象とするキーワードを選定する際には、慎重な検討が必要です。特に、「トランプ」のように、一つのキーワードが固有名詞と一般名詞両方の意味を持つような場合は判断が難しくなります。それでも、ブランドガイドラインに抵触するようなコンテンツに自社の広告を表示させないためには、キーワードブロックは有効な手段です。

 

5)ニュースメディアにとって、世界で起こる出来事を広く聴衆に知らせることは義務です。たとえその出来事が暴力的、不愉快、またはアダルト的なテーマであったとしても、ニュースを伝えないという選択肢は基本的にはありませんが、同時に、ブランド毀損を気にする広告主にとっては懸念材料となりす。一方、視聴者の関心が高いニュース記事に配信された広告は良い結果につながっているというデータもあります。
この点についてはどう思いますか?

コンテンツが「ブランドセーフか否か」は、対象となるブランドによって大きく異なります。例えば政治をテーマにした「ハウス・オブ・カード」や「ヴィープ」のようなドラマにとって、米国内の政治に関するトップニュースとともに広告が表示されることはむしろ歓迎できます。ブランド毀損のリスクよりも、視聴者ニュースに寄せる関心の高さによってエンゲージメントが高まる期待値の方を取る可能性もあるのです。
つまり、答えは一つではなく、ブランドによって異なるということです。

 

6)ブランドセーフティに対応した新しい、あるいはカスタマイズされた広告商品をパブリッシャーが販売している例がありますか?あるばあい、どういったブランドリスクに対応しているのでしょうか?

ブランドセーフティに対応した広告商品を積極的に開発しているパブリッシャーは多くありません。なぜならスケーラブルな対策にはコストが伴うからです。多くのケースでIASのパブリッシャー最適化ソリューションのようなツールを活用し、ブランドセーフティを担保するプロセスの自動化を実現しています。


※この記事は英語版Insiderに掲載の「Brand safety Q&A: Protect your investment」をもとに、IAS Insider Japan編集チームが翻訳、編集しました。

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