2019年のアドベリフィケーションはどこへゆくのか?

2019年04月10日 By IAS Japan Team
IAS Japan エバンジェリスト山口武

3月20日(水)Phybbit主催で開催された「3月アドフラウド勉強会」
IAS Japan のエバンジェリスト山口が登壇し、「『Industry Pulse』からみる2019年のアドベリフィケーション」と題して、アドベリフィケーションで先行するアメリカとイギリスの意識調査レポートのデータを引用しながら、2019年のトレンドと、アドベリを実施する本当の意味について講演いたしました。

ここでは特別にセミナーでお話しした内容をご紹介します。

「Industry Pulse」はIASが年末に実施している業界意識調査で、これまで数年にわたって毎年アメリカとイギリスで実施しています。海外のデジタルマーケティング関係者がどのようなトピックに注目しているのか、何に対して問題意識を持っているのかを明らかにし、業界全体で取り組んでいくためのヒントとしていただく目的で発表しています。

 

1.「2019年の課題」トップ5から読み解く、注目ポイントとは?

GDPRがデジタルマーケターの意識に大きく影響し、2019年の課題のトップには“データプライバシー”が挙がりました。注目すべきポイントは2点です。

2019 IAS Industry Pulseデジタル業界意識調査

ポイント1:
「メディアプランを横断した一貫した計測」が2位に

アドフラウドなどの不正やブランドリスクなどを排除した上で、メディアを横断して一貫したデータでキャンペーン全体を計測する必要がある、というのが業界共通の課題として挙げられました。一貫性のあるデータがあれば、ただ計測するだけでなく、実効性のあるアクションに落とし込むことができます。実は回答の裏にあるのはこの「実効性のあるアクションをいかに特定し、実行するか」という課題です。「データに基づきアクションを起こすことで、広告効果を最大化すること」が、本当に求められていることだと言えます。

ポイント2:
「不正インプレッション」「ブランドセーフティ」が3位、4位にランクイン

アメリカやイギリスといったアドベリ先進国において、不正インプレッションやブランドセーフティといったアドベリの基本指標はトッププライオリティではありません。こういった問題が発生していないからではありません。ブランドセーフティや不正インプレッションを含むビューアビリティの問題が、もはや「対処して当たり前」なことになっているのです。当たり前であってもなお3位、4位にランクインしていることが、逆に問題の大きさを示しているとも言えます。

 

2.求められているものは「デジタル広告のエコシステム全体に対する透明性」

Industry Pulseでは「デジタル広告のエコシステムの透明性」に項目を割いて、関連する質問を投げかけました。
なぜ「透明性」が求められるのか?回答から見えてくるのは大きく2つです。

  • デジタル広告のROIを正確に把握し、投資リターンを最大化したい
  • 透明性が向上すれば、デジタルの広告投資の考え方が変わる

透明性の向上によって得られる効果への期待がうかがえる回答です。

逆に、デジタル広告投資に対する脅威の面からも透明性が求められています。

アメリカでは広告露出をROIに結びつけて評価できないことがトップ課題、イギリスではメディアクオリティの透明性がトップです。

透明性はROIを正しく評価する前提条件なので、最も先行するアメリカではそれがストレートに回答に反映されています。一方イギリスは、マーケットの状況として「マイナスをゼロに」が課題として残っていると見ることができますが、あくまでアメリカとの比較で言えば、であり、日本はどちらからも学ぶことが多いです。

 

3.「マイナスをゼロにする」アドベリフィケーション、「ゼロをプラスにする」アドベリフィケーション

Industry Pulseで、アドベリフィケーションやデジタルマーケティングで先行するアメリカとイギリスの業界関係者の課題意識を整理したあとに、こうした課題にアドベリフィケーションをどう活用できるか、例を交えてご紹介しました。

アドベリフィケーションには、マーケターが求める「マーケティング投資に対するマイナス要素をなくす」という「マイナスをゼロにする」要素と、「マーケティング投資のROIをより改善する」という「ゼロをプラスにする」要素という2つの側面があります。

必要なのは 「ゼロをプラスにする」アドベリフィケーション

「マイナスをゼロにする」アドベリとは

最初に、ROIのマイナス要素をゼロにするアドベリの具体例から見てみましょう。
これは、アドベリフィケーションを活用してキャンペーンコストの無駄を大幅に削減できるという一般的な例です。IASのソリューションをご活用いただいた例だと、平均的にこれくらいの改善が期待できます。

アドベリフィケーションでマーケティングコストの無駄を省き、キャンペーンを効率化する例

アドベリソリューション導入前(図の左側)、広告インプレッションの半数以上が見られていなかったり、ブランド毀損リスクがあったり、不正に消費されたりして、キャンペーン結果に貢献することなく浪費されていました。 アドベリソリューションを導入してこれらのマイナスを排除したことにより、同じ予算で有効インプレッションが1.8倍になり、有効CPMは276円下がりました。

ここでポイントなのは、見かけのCPMに騙されないことです。vCPM=valid CPM=安全かつ有効なインプレッションがいくらだったのか、それを見ないと意味がありません。パッと見ると全体の購入インプレッション数が若干下がり、平均CPMが上がっているので見かけの結果は悪化しているように見えるのですが、有効なインプレッションに注目すれば大幅に改善しているのが分かります。

 

「ゼロをプラスにする」アドベリの具体例

マイナスをゼロに戻しただけでは、本来あるべき姿に戻っただけです。
必要なのはここからさらに効果を最大化していく取り組みです。具体例を出しながら、ゼロをプラスへと転換させていく手順をステップを追って見ていきましょう。

4秒〜7秒と広告を長く見た ユーザーの想起率は 飛躍的に改善

上の表は、広告に接触したユーザーを閲覧時間ごとで分け、広告の想起率を比較ものです。MRCのビューアブル基準(面積の半分以上が1秒以上閲覧可能状態にあること)をただ満たしているだけでは、想起率は3%以下です。しかし、広告を閲覧した時間が長くなるほど、想起率が飛躍的に改善していることがわかります。

 

キャンペーン結果に寄与しているのは 蓄積閲覧時間45〜65秒&閲覧回数8回〜9回の広告 キャンペーン結果に寄与しているのは 蓄積閲覧時間45〜65秒&閲覧回数8回〜9回の広告

次に見ていただきたいのは、広告の蓄積閲覧時間(タイムインビュー)と閲覧回数の調査結果です。広告の蓄積閲覧時間・閲覧回数とコンバージョンには明らかな相関関係があることがわかっています。 このキャンペーンでは、コンバージョンにもっとも寄与しているのは蓄積閲覧時間45〜65秒&閲覧回数8回〜9回見られた場合です。これ以下ではコンバージョンに至る確率が低く、これ以上でもコンバージョンは頭打ちになります。

では、このキャンペーンは実際どれくらいのタイムインビュー、閲覧回数だったでしょう?

キャンペーンを計測し、データを見てみると、コンバージョンにもっとも寄与していた蓄積閲覧時間、閲覧回数に達していたユーザーはわずか2%以下という衝撃の事実が分かったのです。

実際には有効な閲覧時間と回数に達していたユーザーは2%未満

このままキャンペーンで結果を出すにはあまりに非効率な広告投資になってしまいます。

ビューアビリティは満たしているし、不正インプレッションもブランドリスクも排除しているけれど、コンバージョンに寄与するためにはさらに踏み込んだ対策を打っていかないといけないことが非常によくわかる例です。

欧米ではもはやアドベリフィケーションは“ 当たり前 ”である、などと言われることが多いのですが、欧米でも”当たり前”なのは「マイナスをゼロにする」アドベリフィケーションです。マイナスをゼロにすることでようやくスタートラインに戻ってきたマーケターやデジタル広告関係者が今求めているのが、「ゼロをプラスにする」アドベリフィケーションなのです。

 

4.「ゼロをプラスにする」オンラインコンバージョンリフト

コンバージョンに最も寄与している 蓄積閲覧時間と回数を特定し、チャネルごとの蓄積閲覧時間と回数の 実績をベースにメディアプランを見直す

IASは「ゼロをプラスにする」最新のソリューションをつい先日(2019年3月19日)リリースしたばかりです。オンラインコンバージョンリフトと呼ばれるこの新しいソリューションでは、コンバージョンに最も貢献するタイムインビューと閲覧回数を弾き出し、さらにその最適な数値を各メディアの実績値と比較することで効果を最大化するためのメディアプランの見直しを可能にするソリューションです。

昨年から65以上のブランドにベータに参加いただいて計測・分析した結果、蓄積された閲覧時間の重要性が証明されています。業界やブランド毎に必要な蓄積時間は異なるため、そういった特性も実績をベースに加味した上で、具体的な次の打ち手をプランできるのが最も大きな特徴でまさにゼロからプラスに転じるためのアドベリフィケーションソリューションです。


オンラインコンバージョンリフトについて詳しくはこちらをご覧ください。


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