ビューアビリティが最初の1歩にすぎない、その理由

2019年03月15日 By IAS Japan Team

「ビューアビリティのプレビッド ターゲティングを設定し、不正インプレッションをブロックしたので、ビューアビリティが向上しました。」
おめでとうございます!あなたのデジタル広告費は効率的に消費されましたね!

―― 今のデジタル広告を取り巻く複雑な環境は、残念ながらそんなシンプルな話では許してくれません。

たとえ高いビューアビリティが得られたとしても、不適切なイメージ画像や広告の多重配信(一つのページに非常に多くの広告が表示されること)、質の低いコンテンツといった様々な問題によって、キャンペーンの効果が損なわれる場合もあるからです。キャンペーンの効果を最大限高めるには、ビューアビリティだけを重視するのではなく、これらの課題全てに対処することが必要です。

ブランドにとっての「ブランドセーフティ」とは?

想像してみてください。あなたはとあるファッションブランドのデジタル広告の担当者です。

冬も終わりに近づき、春夏コレクションのキャンペーンを計画しているところです。キャンペーンパラメータを設定したので、高級ファッション雑誌のオンライン版のようなハイクオリティなプレースメントに、高級スイムウェアの広告が表示される段取りができています。ビューアビリティ率も非常に高くなっていて、これで夜も安心して眠れるというもの。

ただ1つ、深刻な問題があります。「日焼けによる小じわに注意」という記事と一緒に広告が表示されてしまっているのです。これを見たユーザーは、はたしてビキニを買おうという気になるでしょうか?小じわが増えるくらいなら、ビキニはやめてワンピースにするか、そもそもプールやビーチに行くのを控えてしまうかもしれません!

広告がどのコンテキストに表示されるかは非常に重要です。ブランドイメージにそぐわないものであれば、キャンペーンとブランドの両方が悪影響を受けることになりかねません。パブリッシャーが掲載するコンテンツの範囲が広げれば、危険なコンテンツに遭遇する機会も増すことになります。アドエクスチェンジやネットワーク上からインプレッションを購入する場合だとリスクはさらに高まり、成人向けコンテンツや、ヘイトスピーチ、アルコール、下品な言葉遣い、違法ダウンロードなど、ブランドにダメージを与えるコンテキストの近くに広告が表示されてしまう割合は13.7%にのぼると推計されます。

ブランドにとって安全な広告環境を確保するには、ブランドの文脈を理解したエキスパートによる入念なアプローチが必要です。あるブランドにとって安全ではない環境であっても、別のブランドにとっては理想的という場合もあります。赤ちゃん用の粉ミルクを扱うブランドがワインのページに広告を載せようとは思わないでしょうが、チーズを扱うショップであれば間違いなくそこに広告を載せたいと望むはずです。

広告、広告、広告だらけ!

広告がビューアブルであったとしても、周りに12個もの別の広告が表示されている場合、どれだけ効果があるかは疑問です。広告が所狭しと並べられているようなWebサイトは、ユーザー体験と広告効果の両方にダメージを与えかねません。

誰にでも似たような経験があると思いますが、お気に入りのニュースサイトを読んでいて、最後までスクロールした時点で、「セレブの大失敗ファッション トップ10」のリンクがあるのに気づいたとします。誰にも見られていないことを念入りに確かめたうえで、リンクをクリックします。(他人の不幸を見て喜ぶというのは、誰にでも少なからずあることです。)ところがリンク先のページが表示されると、広告が詰め込まれすぎていてブラウザの動きが遅くなる、見ていてうんざりする、広告が多すぎて1つひとつが目立たないといったうんざりする体験に巻き込まれます。そうまでして、セレブがファッションで大失敗したスライドショーを見たいとは思わないでしょう。2、3秒(ビューアビリティがあると判断されるには十分な時間です)見ただけで、あなたはウィンドウを閉じてしまいました。

さて、ページに表示されていた広告は不正なものではなく、基準に則って判断すればビューアブルだったとカウントされます。ページを開いていた2秒の間、他の12個の広告も同じ状況に置かれていたことになります。しかし、広告が多くて煩雑なページは、広告主にとって決して効果的なプレースメントとはいえません。

ロケーションが大切!(ただし魅力的なロケーションに限る)

実店舗であろうと、ネットショップであろうと、大切なのはロケーションの良さです。デジタル広告の場合、全てのプレースメントが平等というわけではありません。キャンペーンを最大限効果的なものにするには、ビューアビリティだけでなく、プレースメントも気にする必要があります。サイドバナーで再生される動画広告は、ページの中央にあるものに比べると、確かに目立ちません。

プレースメントの良し悪しはページデザインによっても変わってきます。見栄えの悪いページは宣伝効果が低く、広告が洗練されていない場合は特に問題です。質の悪いページのプレミア枠に表示されてしまうと、広告のブランドもページと同類と見られ、ブランドイメージが損なわれる可能性すらあります。

目に見えるもの以上に大切なことがある

最近はビューアビリティとボットによる不正インプレッションに注目が集まっており、デジタル広告予算を無駄にしてはならないという意識が高まりつつあります。同時に、消費者にインパクトを与えるには、ビューアビリティだけでは不十分です。

広告主は、メディア品質のあらゆる要素を考慮に入れて、キャンペーンを設計する必要があります。キャンペーンを成功させるには、広告制作プロセスからオーディエンスターゲティングまでのあらゆる段階で、広告が質の高いメディアに掲載されるように気を配ることが何より重要になってきます。

本記事はIASのAvi Goldwergerがimediaに寄稿したものです。

※この記事は英語版Insiderに掲載の「Why viewability is just the beginning」をもとに、IAS Insider Japan編集チームが翻訳、編集しました。